juntaのブログ

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2021/9/11【読書メモ】深夜特急1~6(沢木耕太郎)

目次

深夜特急1 香港・マカオ

第1章 朝の光 発端

第2章 黄金宮殿 香港

第3章 賽の踊り マカオ

 

深夜特急2 マレー半島シンガポール

第4章 メナムから マレー半島

第5章 娼婦たちと野郎ども マレー半島

第6章 海の向こうに シンガポール

 

深夜特急3 インド・ネパール

第7章 神の子らの家 インド1

第8章 雨が私を眠らせる カトマンズからの手紙

第9章 死の匂い インド2

 

深夜特急4 シルクロード

第10章 峠を越える

第11章 柘榴と葡萄

第12章 ペルシャの風

 

深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海

第13章 使者として

第14章 客人志願

第15章 絹と酒

 

深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン

第16章 ローマの休日

第17章 果ての岬

第18章 飛光よ、飛光よ

 

 

偶然ネットの記事で沢木さんがコロナについて語っている記事を見かけたのが、本書を読むきっかけになった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/415bac348e6a69316ecc903f17dc363ee6e40448?page=1

沢木さんは自分の親と同じ世代だけど、

「例えば明日、新型コロナウイルスに感染して重症化して、1週間後に死んでしまっても、1年先にやりたいということもないから、構わないわけ、全然。自分の好きなことだけをやってきたので、『ここで終わり』って言われても、神さまに不平は言わないっていうことなんです」

という死生観が自分の親と全く違って素晴らしいなと思い、この記事で引用されていた本書を読み始めた。

 

どの土地で何が起こったか、というのは本書を読んでいただくとして、最初に思ったのは、

沢木さんの村上春樹の文体と似ているな、ということ。

調べてみると、こういうページがあった。

https://webronza.asahi.com/culture/articles/2020121600005.html

やっぱり似てるよな。

 

それから思ったのは、ルイルイたちが日本国内で路線バスで旅をしている番組のモチーフになったんだろうな、ということ。

この番組は、情報なしでスタート地点からゴールまで制限時間内にたどりつけるか、というものだと思うけど、制限時間がないという点では違っているものの、たどりつくルートは現地の人に聞いたり、観光案内所で調べたりといったところは同じ。

今の世の中は、ネットでインスタントな情報が簡単に手に入るけれど、そういったものを遮断して発生するハプニングは今も昔も楽しいということだろう。(無論、残念なこともそれなりにあると思うが)

ちなみに驚くべきは、4,50年前のヨーロッパでは、1食数百円で食事ができたということ。

基本インフレの欧米では、今では食事をするのに1食数千円はかかるが、日本では数百円で可能だ。この差はレストランで働く労働者の賃金の差に起因していると思われる。

つまり、日本では労働者の賃金は低く抑えられ、欧米ではそれなりにもらえているということだ。

この数十年、労働者がリスペクトされて物価が上がってきた欧米と労働者が搾取されてきた安い日本の差が物価に如実に反映されているということだろう。

こういったバスでインドからロンドンまで行くという旅行も時間があれば面白いだろうと思うが、もはやいい年齢になってしまっているので、本書に登場する若い沢木さんのような節約術を使いながらの旅行はちょっと厳しいかなと思う。

やはりちょっと無謀とも思えるような旅行は若い時にしかできないんだろうな、とまた失ったものを発見した気分になった。

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